照れくさそうに笑う吉良くん。 よくわからないけど……喜んでもらえたなら、よかったかな? 私がなかなか吉良くんに声をかけなかったせいで、予定の時間より大分過ぎてしまっていた。 「あの、そろそろ……」 「ねぇ、ここでひとつ提案があるんだけどいいかな?」 「へ……?あ、はい」 行きませんか、という言葉は吉良くんの声に遮られてしまった。 真剣な表情で私を見る吉良くんの姿に、思わず息を呑む。 「今日は日曜日だから、この辺りを歩いている人はいつもより多いよね?」 「え……そう、ですね……」