私が悪いんだ。
もっと早くに声をかけていれば。
吉良くんを信じていればよかったんだから。
すぐ人に流されてしまう弱い自分の心が、嫌い。
「その服、可愛いね。はるちゃんにピッタリだ。……それを選んだのが堤さんということは気に食わないけど」
「え……?」
どうして、まこちゃんが選んでくれたって知ってるんだろう。
まこちゃんが吉良くんに言ったのかな?
「か、き、吉良くんも……その、素敵、です」
背も高くてモデルさんみたいだし、黒を基調とした私服もとても似合っている。
「ありがとう。君に褒めてもらえるなら、この姿も悪くないかな」


