私といるより、この子たちといるほうが吉良くんも楽しいよね……
私が再度後ずさると……
「……やめてくれないか」
彼は女の子の腕を振り払い、埃を叩くようにパンパンと自分の腕を叩く。
「僕たちの邪魔をするのは。これ以上邪魔をするなら女といっても容赦しないよ?」
吉良くんの声が、いつもより低い気がする。
私に背を向けているから、表情は見えない。
吉良くんがそう言うと蜘蛛の子を散らすように、女の子たちはいなくなった。
『怖い』、なんて言いながら。
私も、とても怖かった。
吉良くんの隣にいられなくなるような気がして。


