思わず大きく一歩後ずさると…… 「はるちゃん」 聞き覚えのある声が、耳に届く。 「あ……」 そこには、吉良くんがいた。 たくさん人がいたはずなのに、私と彼の周りだけ空間が空いてる。 「君を待ってるこの時間もすごく幸せに感じたよ。……堤さんに交渉したかいがあったよ」 「え、と……?」 「あぁ、なんでもないよ。それより今日の君はほんとに素敵だ、天使みたいだよ」 て、天使って……! 吉良くんは意外とロマンチストなんですね…… ……じゃなくて! 吉良くんはなんとも思わないのかな?