時計台の正面で本を読んでいる男性は見つけた、多分あれが吉良くんだと思うんです。 で、でもほんとに吉良くん!? 本を読んでいる男性の周りにはたくさんの女の子がいるし、なにより眼鏡をかけていない。 私は確認のためもう一度ラインを開く。 『今日眼鏡はされてますか?』 『今日はかけてないよ。きっと君が見ているのが僕で合ってるよ』 え、じゃあやっぱりあの人は吉良くん……? ラインの文面から彼はきっと私が着ていることに気付いているはず。 私を見つけてくれたりなんて、ない……よね。