「高校入学してからずっとはるちゃんを見てきたけど、明るくなったし、可愛くなったと思うよ」
「まこちゃん……」
私のこと、そんなふうに思ってくれていたの……?
今までそんなふうに私を見てくれる人なんて、いなかった。
私自身を見てくれる人なんて、いなかった。
涙が溢れないように、首が痛くなるくらい上を向いて堪える。
大切に、しなきゃ。
この服は、まこちゃんの想いが詰まってる。
返そうとした袋をぎゅっと胸に抱く。
「じゃあ行こうか、はるちゃん」
「あ、あの……でもやっぱりお代は別です」
半ば強引に私はワンピースの代金をまこちゃんに押し付けた。


