私自身も、私を見る人の目も変わることはない。

いつだって私は壁の花。
ううん、花にもなれないかもしれない。


「……あ、あの、着替えてきます」

「うん、じゃああたし適当に服見てるから声かけてね」

私のために色々してくれるまこちゃんにはほんとに申し訳ないけど……
手早く服を着替え、元あった場所に返そうと早足で歩く。


「……あ、あれ?」

気が付くと、服が私の手から消えていた。
な、なんでないの……?
確かにハンガーを持って試着室を出たはずなのに。

でも服なんて落としたら、きっと気付くよね。
焦りすぎてハンガーだけ持って出てきちゃったのかな。