「……あの、はるちゃん?ごめん、ほんとに無理なら無理強いはしないから出てきてほしい」
どうやら長い時間試着室の中にいたらしく、心配するようなまこちゃんの声が聞こえる。
鏡に映る自分を一瞬だけ見て、ドアを開ける。
「……変、だよね。似合わないよね」
「さすがあたしのはるちゃん!すっごく可愛い!」
「かっ……!?」
ひらひらしているワンピースの裾を見つめていた私は、驚きのあまり顔を上げる。
でも友だちと言っても、似合わないなんて正面からは言いづらいだけだと思い落ち込む。
どんなに見た目を着飾っても、中身は地味な私なんだから。


