ふと、彼の言葉が頭をよぎった。 わ、私今……なんて言おうとしたの!? え、え、メロンパンの話だったよね? 私、ひとりで勘違いしてる……!? 私は咄嗟に目を逸らす。 まさか自分に好きだと言われたんじゃないかなんて自惚れもいいところだ。 なにより、恥ずかしい……! 「はるちゃんはこれも好きだよね、イチゴクリームパン。よくここで買っているし」 「え、ああ……はい」 買ってるけど、どうしてそれを? 不思議そうな顔をしていただろう私に、彼は大きなメガネを押し上げて言葉を続ける。