今までこんな人に出会ったことがあるだろうか。 こんなに、自分を必要としてくれる人なんて。 『はるちゃん、泣かないで。君が僕を嫌いだというなら僕は大人しく身を引くよ。それが君のためになるなら。 でも、ほんの少しでも迷ってくれているならチャンスが欲しいんだ』 「チャンス……?」 『うん。僕は君が好きだし、もっと知りたいと思ってる。君にも、そう思ってもらえるように』 でも、それじゃ…… もし私がこのまま彼を好きになれなかったら? またこうして、吉良くんに辛い思いをさせてしまうの……?