「えっと、その……お似合い、だと思います」
私がそう言うと沙緒さんはプッと吹き出した。
「やだ〜！あたしとケイがお似合いだって！ね、うれしい？」
「別にどうとも。はるちゃん、こいつの言うことに耳を傾けないで」
そ、そう言われても……
沙緒さんはケーキを食べながら器用に吉良くんに話しかけ、時々私にも話を振ってくる。
「ん〜！ここのケーキほんとに美味しい！おかわりしちゃおっかなー」
「食べるのは勝手だが、これ以上遅くなるなら僕らは帰らせてもらうよ」
「つれないなー。ま、その分春子ちゃんは大事に大事にされてるんだね〜」
最期の一口を食べ終わった沙緒さんがウインクをしながら私を見る。
か、可愛い……
ウインクがこんなに違和感ない人ってアイドルくらいだと思ってました。
