そこにいたのは頭に手を当てる吉良くんと、ひとりの女の子。
紺のブレザーにスカートは、この辺りでは有名な汐崎学園の制服だろう。
ダークブラウンの髪はストレートで、胸元あたりまであって。
ぱっちりとした大きな瞳が、こちらに向けられていた。
とても可愛い人だな、と思った。
それと同時に、ひとつの疑問が頭をよぎった。
どうして私の名前を……?
「あはっ、どうして私の名前を知っているんだろうって顔してる〜!」
笑うと目元がくしゃっとなってさらに可愛さが増した。
だけど、どこか引っかかりを感じる。
私を指差して、反対側の腕を吉良くんに絡めながら笑う彼女。


