「……え?」
「あたしにまで、はるちゃんの好み聞いてきて。ひとりで女物の店に行って買ったものなんだよ」
そこまで言われて、ようやく紙袋の中身を見る。
中には薄ピンク色のドレスに靴、白のショール、アクセサリーまで入っていた。
こういうのって、すごく高いんじゃ……
「それでも、はるちゃんはまだ帰りたいって言うの?誰よりも今日を楽しみにしてた吉良の気持ち踏み躙って」
「わ、たし……」
一体吉良くんは、どんな思いでこれを用意してくれたのかな。
女の人が入るような店に行くなんてきっと勇気のいることだよね。
ここで私が帰るって言ってもきっと吉良くんは私を責めたりしないだろう。


