いまいち会話が成り立ちません……!
混乱している私の手を少し強引に引くこの人は、ほんとに吉良くんなのだろうか。
慌てて教室に置きっぱなしだった私とまこちゃんのカバンをとり教室を出た。
一体何なんだろう……
少しずつ暗くなっていく空は、まるで私の気持ちと同調しているみたい。
もう帰りたい……
ねぇ吉良くん、どうして無言なの?
掴まれた腕にも妙に力が入っている気がして、怖い。
いつもみたいに私の変化に気付いてほしい。
そう思うだけで何も言えない私はただ、人形のように着いて行くしかなかった。
「……それじゃ、僕も準備をしてくるよ。また後でね」


