いつもなら、言い合いをするふたりを仲が良くていいなって思うところなのですが……
と、とにかく急ぎましょう!
差し出された手をぎゅっと握って走りながら、どんな劇なんだろうと考える。
吉良くんが作ったお話、楽しみだな。
「春子さん、堤さん、こっちです!」
先ほど時間を確認した時穂積くんからラインが来ていて、どうやら私とまこちゃんのふたり分の席を取っておいてくれたみたいです。
「穂積くんありがとうございます」
「いえいえ、ボクも吉良の劇は(色々な意味で)気になっていたのでお構いなく。
決して朝一から体育館に居座ってたりしないですから!」


