「あの、吉良くんはどうしてここに?」

「あぁ、僕のクラスの劇が12時公演だから、はるちゃんを呼びに来たんだ」


あ、そうだったんだ……

文化祭のパンフレットは来客の方だけでなく生徒全員に配られるけど、朝一の当番だったからまだ見てなかったんだよね。


え、でも12時からって……

吉良くん、ここにいて大丈夫なのかな?
ポケットからスマホを取り出し時間を確認する。



「今11時50分ですよ!?」

「おっと、急がないと。はるちゃん、人が多いから手を貸して。

あ、堤さんは別にはぐれてくれていいから」


「あんたとはるちゃんをふたりっきりになんてさせるわけないでしょ、このむっつりが!」