「……吉良くん!」
私は咄嗟に吉良くんに駆け寄り、ブレザーの袖をぎゅっと掴む。
助けて、助けて助けて助けて!!!
「……顔が真っ青だ。まだ反省していないのかな彼女たちは……僕に任せておいて」
ぽんぽんと頭を撫でられ、廊下の窓を開けてくれた吉良くんが、外の空気でも吸って落ち着いてと優しく声をかけてくれた。
助けて、くれるんだ……
やっぱり吉良くんは私のヒーローなのかもしれない。
少し離れたところから、吉良くんと彼女たちを見つめる。
「ねぇ君たち、ちょっと」
吉良くんがなにかをふたりに言っているみたいだけど……よく聞こえない。


