困った私が周囲を見渡すも、クラスメイトたちは怪訝な顔をして私たちの横を通り過ぎるだけ。


ヒソヒソとなにか話している人もいる。


なんか、嫌だな……
感じたことのある空気にデジャヴを感じる。



あぁ、これは。
昔、私に向けられた視線によく似ている。


幸せだった日々が続いていたから、忘れていた忌まわしい時代。

みんな、見て見ぬふりをするあの時みたい。


誰か、助けて……!


「……っ、吉良くん……」










「うん、なに?」


顔を上げると、今まさに呼んだ人がにこりと微笑みを浮かべてそこにいた。