息を切らした穂積くんが、膝に手をついて吉良くんのほうを見る。
「……遅い。終わったのか?」
「ぼ、ボクには……無理でした!」
「ちっ、使えない歩兵だな……たかが女ふたり縛ることも出来ないのか」
ふたりは小声でヒソヒソと話しているから、会話は断片的にしか聞こえないけど……
歩兵?縛る……?
単語だけが頭の中をぐるぐると回る。
ゲームとかの話なのかな……?
「……まぁ、元々僕がやる予定だったし仕方ないか。穂積、お前は彼女を送っていけ、いいな」
「え……あ、あの子たちは?」
「ふふ……僕の彼女にメイドを押し付けたこと、一生後悔させてやる」


