自分から立候補したわけでもないのに頑張ろうとする吉良くんは、ほんとにすごいと思う。
私なんて、いまだに後悔してるよ。
接客なんて無理だから当日休もうかとかも考えてしまったし。
すごいなぁ、吉良くん。
前向きだ、私とは全然違う。
私も、そう思えるようになれたらいいのに。
そんな話をしていたら、校門に着いた。
もっとお話したかった……なんて言っても、きっと彼を困らせてしまうだけ。
笑顔を作ってお別れしようとしたそのとき、バタバタと大きな足音がこちらに近づいて来る。
「きっ、吉良……!まっ……ぜぇ、ぜぇ……」


