「あ、はい……大丈夫ですよ」
「ごめんね、校門前までは送るよ」
私が用意するより先に吉良くんが帰る用意を手伝ってくれて、教室を出る。
「そうそう、僕のクラスは劇をすることになったんだ」
「そうなんですね」
「うん、僕は裏方だけどよかったら見に来てほしいな。運悪く脚本担当を任されたんだ」
「それってすごいじゃないですか!」
ぼんやりと聞いていたけど、劇のお話も自分たちで考えなくちゃいけないんだな。
それに抜擢された吉良くんはすごいと思う。
「じゃんけんに負けてしまっただけだけど……君が楽しみにしてくれるなら、いい作品にして見せるよ」
「楽しみにしています」


