「3週間後の文化祭についてですが、なにか意見ありますかー?」

文化祭実行委員の女子たちが声を張り上げているのを、ぼんやりと見つめる。



『僕はいくらだって待つって。君の気持ちが僕に追いつくまで』

この間言われた言葉がずっと頭の中でリフレインしている。


私の気持ちが吉良くんに追いつくのって……いつ?

吉良くんはいつも私に好きだって言ってくれるけどそもそも『好き』ってなんなんだろう。


どういう時にそう、思うのかな。
私なんて、なんの取り柄もないのに。

難しいよ、私には。

数学や化学の問題を解くほうが簡単なんじゃないかとさえ思えてくる。