吉良くんは多分いつもみたいに私のクラスに来てくれるとは思うけど……

吉良くんが自分から言ってくれるなんてこともないだろうし、私が頑張らなくちゃいけないのに。


「……はるちゃん、泣きそうになってるけど、どした?」

「う、うぅ……」


まこちゃんが心配そうに私を見つめている。
だ、ダメだ!まこちゃんにまで迷惑をかけるのは。


「……私、行ってきます!」

「え?えーと、うん、いってらっしゃい……?」

どうしても渡さなくちゃ。
私が、渡さなくちゃ意味がないんだから。

カバンを持って私は教室を飛び出した。