「え、ケイ、もしかしてマジなん?あの子にマジなわけ?」
大声で騒ぎ出すそいつを一睨みして黙らせたあと、僕は早足で控室へと戻った。
挨拶と片付けを終えた私は、控え室のドアをノックする。
「はい」
「あの、三枝です。入ってもいいですか?」
「どうぞ」
ドアを開け中に入ると、既に私服に着替えていた吉良くんと目が合う。
髪型や目も、いつもの吉良くんに戻っていた。
「ほんとにお疲れ様。たくさん無理させてしまったよね、ごめんね」
「吉良くんこそお疲れ様でした!私は平気です」
ただ、少し慣れないことをして疲れたっていうのはある。
だから余計に吉良くんの顔を見れて心底ほっとした。


