吉良くんは持ってきたスポーツバックから何やら荷物を取り出し、鏡の前に座った。
「園田さん、彼女にはなにもさせなくていい。僕が無理を言って連れてきただけだから」
「いやいやここに来た以上はそういうわけにはいかないの。俺も仕事詰まってるから簡単なことはお願いするつもりだし」
「そういえばはるちゃん、聞くのを忘れていたんだけど、いつまでにいくら必要なの?」
「聞いてねぇな人の話……」
いつまで……って、吉良くんの誕生日の日までだよね。
いくら……そういえば全く考えてなかった。
え、いくらいるんでしょう……?
「……月末に、一万円くらいあれば……?」
いい、のかな……?


