エレベーターの中で暴れちゃいけないのはわかってます、はい。
でも、でもっ!
耳元で『電話なんかに君とふたりの時間を邪魔されたくないから』なんて言われたら、私……
どう反応していいかわからないよー!
な、なんか今日の吉良くん、変……?
それとも、私が異常にドキドキしすぎてるだけなの?
エレベーターは14階に止まり、吉良くんに続き私も降りる。
「ケイ!遅いじゃないか!」
「……すみません」
「早く着替えてスタジオ入ってくれよ、ったく……って、彼女は?」
グレーのスーツに、シルバーフレームの眼鏡をかけた男性は吉良くんの後ろにいる私を見る。


