吉良くんの声で我に帰り、慌てて紙を下駄箱に戻す。
「な、なんでもないの。平気だから」
いつも私のことを気にかけて、優しくしてくれる吉良くんにだから余計言えないよ……
これ以上迷惑かけて、愛想尽かされるのが怖い。
私なら平気、頑張れ自分。
ほんの少しの気休めだけどないよりはずっといい。
「……そう?ならいいんだけど」
「はい。帰りましょうか」
この時、吉良くんに相談していたらなにかが変わったのかな。
帰り道、結局このことを吉良くんに伝えることは出来なかった。
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