「……カメラ?」 吉良くんが持っていたのは、すごく大きいカメラだった。 「うん、今日の記念に写真を残したくて持ってきたんだ」 「すみません、私……目閉じてたかも……」 「可愛いからいいよ。次はこっちの角度から……はい、チーズ」 パシャッ う、うぅ…… カメラを向けられ、ぎこちないながらに笑顔を作ってみる。 「君がこっちを向いている写真……ふふ、嬉しいな」 私が白猫やビーグル、ミニチュアダックスフントなどを抱きかかえたり撫でたりしている間、吉良くんは絶えず写真を撮っていた。