「あれ?もしかして分からない?」 一度距離を取るために後ろへ引く。 「………」 目の前の男に目を向ける。 笠をかぶっているから、顔の表情全体は見れないが、口元は緩んでいる。 ……こいつ、馬鹿にしてるな。 なんか無性に腹が立ってきた。 大体、何故こんなやつにそんな表情をされなければいけないんだ! 「おっかしいな〜 僕、あんなに君と接近したのになー」 接近? 女の人間を絡んでいた、あの酔っぱらい3人組浪士か? いや、そんな筈はないな。 先程、自分の手で斬ったんだ。 ならばいつ……