すれ違う人々は全員知らない顔。


上履きで歩く音と時折目にする、隅に固まって駄弁っている人達の笑い声。


私は校舎の案内図を見ながら「1-B」の看板を探す。


朝日 奈都(アサヒ ナツ)
今日から高校生。


そして同時に都会デビューを果たした。


胸をときめかせながら待ち遠しにしていた都会デビューは、つい数日前にあまりの地味さであっけなく終わったが。