コイツ、俺の嫁候補。

あたしを哀れむような、面白がるような、微妙な顔をするヤンキー二人。



「牧野も遊んでもらえるといいな」

「そりゃ無理だろ。男みてーなコイツに言い寄ることなんて絶対ないって!」

「失礼ね!」



ぎゃはははと笑う二人を睨みつけるも、そんなのたいした効果はない。



「しっかし牧野がそんなに樋田のことが好きだったとは」

「お前もちゃんと恋とかするんだなー。まじウケる」



ウケるとはなんだ!とつっこもうとした瞬間、ガラッとドアが開いた。

真っ先に入ってきたのは、なんだか不機嫌そうな那央。

あれ、もしかして……今の聞かれた?


あたしのそばにやってきた那央は、テーブルの上にガサッとスーパーの袋を置くと、口元にだけうっすら笑みを浮かべて呟く。



「へぇ、結局王子様に決めたんだ」

「違っ、そういうんじゃ──!」



やっぱり聞かれてたんだと思いながら、咄嗟に否定しようとして気が付いた。

何であたし、こんなに“誤解されたくない”と思ってるんだろう──。