コイツ、俺の嫁候補。


──夕陽が沈んだ空は、泣き腫らしたあたし達の目みたいに赤く染まっている。

病院を出た後、先輩に送ってもらったあたしと那央は、再び河原を歩いていた。


後から聞いた話では、おばあちゃんの病気は誤嚥(ごえん)性肺炎というらしい。

しばらくは治療をすることになるけれど、どの治療法でも平均余命は1~3ヶ月。

容態が急変することも少なくなく、そうなった場合の救命率は低いのだそう。


それを聞いたら、恐怖感はもちろんまだあるけど、那央の言う通り今日会って会話も出来て、本当によかったと思った。



「……愛情って、奇跡が起こせるんだな」



手を繋ぎゆっくり歩く那央が、ぽつりとそんなことを漏らした。



「ずっと皆のことわからなかったんだろ? なのにさっきはすぐに名前が出てきた。
正直、縁のことがわかるか不安だったけど……やっぱり縁達へのばあちゃんの愛情の力はすげぇよ」



あたしも少しだけ笑って頷く。



「ほんと、奇跡だよね……」



稚拙な演出だったけど、一瞬だけでも、おばあちゃんの夢叶えられたかな。