コイツ、俺の嫁候補。

那央とかたく手を繋いで、病室のドアをノックする。

「はい」というおじさんの声を聞いてから、意を決してドアを開いた。



「──縁ちゃん!? 那央くんも……!」



驚いた声を上げる、施設の制服姿のままのおじさん。

お母さんも目を丸くして、座っていた椅子から立ち上がった。



「縁! どうして……!?」

「やっぱり、今会わなくちゃって思ったの」

「そう……ありがとう。もうすぐ目を覚ますだろうって」



力無く微笑むお母さんからベッドへ視線を移すと、酸素吸入のマスクを付けて目を閉じているおばあちゃんがいた。

こんなに、細くて小さかったかな……

見るからに弱々しいその姿に、目頭が熱くなる。



「おばあちゃん……」



呼んでも反応はない。

ただ呼吸する胸が上下に動くだけ。



「おばあちゃん、起きて……。あたしを見てよ……!」



枕元に近付き、顔を覗き込んで呼び掛ける。

すると、ピクリと瞼が動いて、ゆっくりゆっくり目を開いてくれた。