楽しかった修学旅行が終わると、今年も文化祭の準備に追われた。

一年生がたくさん入部してくれたおかげで、去年のポップコーンよりも凝ったものが出来そう!

ということで、今年はパウンドケーキにすることに決定。


再びネクラにマスコットを作ってもらったら、一年生の女子達に可愛い!と大好評で、ぽっと頬を赤らめたネクラを初めて見たっけ。

那央も試験が近い中、出来るだけ準備を手伝ってくれて、なんとか当日を迎えることが出来た。


今年も評判は上々で、用意していたケーキは完売。

カレンさんの置き土産となったフリフリレースのエプロンもばっちり付けたしね。


「カレンさん達にも来てもらいたかったですね」と、奈々ちゃんは残念そうに言っていた。

あの二人を懐かしく思うと同時に、ちょっぴりセンチメンタルな気分になる。


──あたし達も、もう来年はここにいない。

那央や舞花とこんなふうにしていられるのも最後なんだと思うと、やっぱり無性に切なくなるのだった。