コイツ、俺の嫁候補。

手の甲で素早く涙を拭ったおじさんは、にこりと笑ってみせる。



「抜け殻みたいに空っぽだった僕に、生きる力を、もう一度夢を与えてくれたんだよ。君と、君の両親が」

「おじ、さん……」

「そんな君達に再会したら、恩返しってわけじゃないけど、亡くなったあいつの分まで守ってやりたいって強く思ったんだ」



ワガママだろ?と言って笑うおじさんだけど、あたしはぶんぶんと首を横に振った。

だって、そんなふうに思ってくれていたことがわかって、すごく嬉しいから。

こんなあたしでも必要としてくれる人がいるんだって、自信が持てたから──。



「でも、僕も再婚って形にこだわらなくてもいいと思い始めたよ」



予想外の言葉に、あたしはぱっと顔を上げる。



「え、でも──」

「わざわざ籍を入れなくても、君達を支えることは出来るし。今まで通りの関係の方がうまくいくかもしれない」



いつもの笑顔を見せるおじさん。

気を遣って言わないでくれているけど、そんなこと考えさせてしまっているのは絶対あたしのせいだ。