なにこの量!

那央がモテるのはもう十分わかってるけど、彼女というあたしがいるってのにナゼ……!?

ていうか那央も那央だよ!



「何で受け取っちゃうの!?」

「あぁ、コレあいつらのおやつになるからさ」

「おやつ?」



あ……なるほど、片霧家の子供達のためのお土産ってことね。

それならまぁいい……のか?



「心配すんな。ちゃんと『義理しかもらわない』って言っといたし、縁の以外は食わないから」



余裕の笑みを浮かべる那央は、あたしに向かって手の平を差し出す。



「あるんだろ?お前も。ちょーだい」



あげるとか何も言ってないけどわかっているらしい……まぁ当然か。

若干緊張しながら、あたしはバッグから丁寧に箱を取り出す。

そして、目を合わさずに那央の手にそれを乗せた。



「……ん」

「ぶはっ! なんだそのぶっきらぼうな渡し方、男か」

「悪かったわね」



だってちょっと恥ずかしいじゃん、手作りのものあげるって。