おじさんの言う通り、大学にしても専門学校にしても、進学するにはお金が必要になる。

お母さんは、『お金のことは心配しないで、縁のやりたいことをしなさい』と言ってくれるけど、当然気にならないわけがない。

おじさんと再婚すれば、お母さんの負担が軽くなることも十分わかってる。



「それに、もし一人暮らしするとしたら、さっちゃんも一人になっちゃうだろ? 君のお母さんは、あぁ見えてすごく寂しがり屋だからね」



だから、そばにいてあげたい──

そんな想いが、愛おしそうな目で微笑む彼から伝わってくる。

おじさんは、本当にお母さんのことを愛しているんだろう。

それはすごくよくわかる。けれど。



「……おじさん」

「うん?」

「あたしは──おじさんのことをきっとお父さんとは思えない」



目を伏せたまま言うあたしを、じっと見つめるおじさん。

あたしのことを想ってくれているのもわかるけど、だからこそ、今はっきり言っておいた方がいいと思った。

再婚してから、おじさんが後悔したりしないように。