コイツ、俺の嫁候補。

「え?」

「遠慮するなって言っても無理な話だよな。今日は強引に誘ってごめん。君と少しでも早く打ち解けたいって気持ちが先走っちゃって」



おじさんは申し訳なさそうに眉を下げた。

あたしの気持ちを汲み取って、気を遣ってくれているのがわかる。

あたしも、おじさんのことをもっと理解しないとダメだよね。



「……お母さんのこと、いつから好きだったの?」



この際気になってたことを聞いてみようとストレートな質問をぶつけると、おじさんは視線を宙にさ迷わせる。



「うーん、正直に言うと、一番最初に好きだって思ったのは学生の頃だね」

「えっ、そんなに前!?」

「そう。でも、その頃からさっちゃんは君のお父さんのことが好きで、僕なんて入る余地もなかった。仲は良かったけど友達止まりだったよ」



苦笑してウーロン茶を飲むおじさんに、あたしは疑心の目を向けた。



「まさか、隙あらば奪ってやろうと思ってたとかじゃ……?」

「そんな恐ろしいこと思ったことないよ!」



ぶんぶんと首と手を振って否定するおじさんに、ひとまず安心するあたし。