確信めいたそんな言葉が聞こえて、あたしはまた足を止めた。



「でも同じ大学とか行く可能性もあるじゃん?」

「それは絶対ないよ。だって片霧くんはさー……」



一人の女子の声にあたしも耳をそばだてていた、その時。



「おー縁、終わった?」



突然背後から那央の声が響き、驚いたあたしはビクッと肩をすくめた。

同時に、教室の中のギャルの声も聞こえなくなる。



「わりぃ、トイレ行ってた。……どうした?」

「あーえっと……」



あたしがいたってこと、あの子達にバレちゃったよね?

戸惑いながら言葉を濁すあたしを不思議に思ったのか、近付いてきた那央は教室の中を覗く。

そして、彼女達を見ると表情を険しくした。



「……もしかして、何か言われた?」

「あ、いや、別にあたし気にしてないから!」



咄嗟に笑ってそう言ったけど、これじゃ悪口を言われてたことを肯定してるようなものだ。

案の定ため息をついた那央は、扉を開けて彼女達を一瞥する。