コイツ、俺の嫁候補。

公園の中へ入り、約束の小さな噴水の方へ向かいながら、那央らしき姿を探す。


……あ、あの人そうかな?

石段に腰を下ろして、水遊びしている子供達を遠目に眺めている、あの彼。


無造作に毛先を遊ばせ、ふわりとセットされたいつもの髪型。

腕まくりしたデニムのシャツを羽織り、カーゴパンツにワークブーツを合わせたファッション。


アメカジスタイルっていうの?

なんか、なんか……カッコいいんですけど……!


足を止め、ぽかんとしながら見ていたあたしに気付いた那央が、立ち上がって近付いてくる。

その那央もまた、あたしを見て驚いたような顔をしてる。



「こ、こんにちは」



胸をときめかせるあたしは、何故か頭を下げて他人行儀な挨拶をした。

すると、彼は突然こんなことを言う。



「縁……抱きしめていい?」

「はぁ!?」

「いや、すげぇ可愛いからさ。お姫様みたいで」



さらりとそんなセリフを口にして微笑むから、あたしは恥ずかしくてしょうがない。

でも、ちょっと勇気を出してイメチェンしてみてよかったかな。