コイツ、俺の嫁候補。


華ちゃんと、その友達らしき女の子のことが少し気になりながらも販売を続け、あたしの休憩の番が回ってきた。

クラスの誰かに会ったら売り付けてやろうと、ポップコーンを持って校内をうろついていると。



「ん? ……華ちゃん?」



出店もなくあまり人がいない、各部の部室が集まる二階建ての建物の前。

一人で段差に座っている華ちゃんの姿を見付けた。



「どうしたの?」

「……げっ」



声を掛けたあたしを見上げて、顔をしかめる華ちゃん。

う、うーん……気分は良くないけど、すぐ顔に出してしまう所は自分と近いものを感じるかも。

彼女は苦笑いするあたしの左手を見て言う。



「あなたもポップコーン売ってるの?」

「あ、うん。食べる?」

「いらない」



チーン、という虚しい音が頭の中に響いた気がした。

聞いといて拒否ですか……。



「は、華ちゃん、お友達は?」

「……友達なんかいないよ」



がっくりとうなだれたまま聞いたあたしは、そんな素っ気ない答えが返ってきて顔を上げた。