コイツ、俺の嫁候補。

そう思って待っていたものの、華ちゃんより先に来たのは一人の見知らぬ女の子だった。



「いらっしゃいま──」

「すみません、片霧さんっていますか?」



中学生くらいの、あどけない顔立ちのその子に突然聞かれて、あたしは口を開けたまま固まった。

まさか那央のファン、とか?

あたしの後ろにいた那央が、不思議そうに顔を覗かせる。



「俺だけど?」

「あっ、あの、華ちゃん来てませんか?」

「いや、まだだよ」

「そうですか……」



残念そうに肩を落とす彼女は、どうやら那央のファンではなく華ちゃんを探しているらしい。

あたしは那央と顔を見合わせ、その子に尋ねてみた。



「どうかしたの? はぐれちゃったとか?」

「いえ……! ちょっと来てるかなと思っただけなんで。すみませんでした」



ぺこりと頭を下げた彼女は、帰ろうとして足を止め、こちらを振り返る。

そして「キャラメル味、一つください」と、一重の瞳を細めて笑った。