あたしは意外と影響されやすいのかもしれない。

舞花に言われてから、那央に対する想いが日に日に膨らんでいってる気がする。

そうか、これが恋なのか、と思うと妙にしっくりきて、毎日そわそわしてしまう。そして。



「おっと、悪い」

「ひゃぁ!」



いよいよ大詰めとなった文化祭の準備で、段ボールを運んでいた那央と背中がぶつかってしまい、思わず叫んでしまった。

過剰反応するあたしに、那央は目をしばたたかせる。



「そんなセクハラされたような声上げなくても」

「ご、ごめん……!」

「なんか最近の縁、変」



眉をひそめる那央だけど、それもそのはず。

だって意識し過ぎちゃって、なんか挙動不審になってるんだもん!

今だってほら、まじまじと見つめられると顔が熱くなるし、無意識に目を逸らしてしまう。



「顔赤いし、熱でもあるんじゃねーの?」



床に段ボールを置いた那央は、その温かい手であたしのおでこに触れた。