ここは天国かもしれない。
サラもようやく心から寛いだ時。
「僕、もうすぐ天国に行くんだ」
タイシが笑顔で言った。
不審に思ったサラは、ムラサメを問い詰めた。
なんと、町と人食い村はある契約を交わしていた。
数ヶ月に一度、村に人間を生贄として差し出す。その見返りとして、それ以上は襲わないことを約束する。
「自分の息子を⁉」
「仕方ないんだ。村がタイシを選んだ。私の妻も…」
ムラサメを殴りつけたサラ。
こんなのは自由でもなんでもない‼
「戦いなさい‼刺し違える覚悟で戦うのよ‼」
町民に訴えかける。
そして、引き渡しの夜を迎えた。