「………」


「ずっと見てるとちょっと寂しくなる」


永久子は会話を止める気がないらしい。
おとなしく漫画読んでろよ、俺より先にさ。


「田無にあるから田無タワー?」


俺は仕方なく、永久子の転がるベッドに向き直った。


「田無タワーの正式名称、知らないのかよ」


「え?あんの?」


永久子が漫画をベッドにぶん投げて身体を起こした。
その漫画、俺のなんですけど。

スプリングが弾んで、ショートパンツから伸びる長い脚が眩しい。
そんなに無造作に投げ出さないでほしい。


「西東京スカイタワー」