どうやらあのイケメンくんは

安藤 奏人(アンドウ カナト)という名前らしい。




名前までイケメンだわ。


休み時間の度に人だかりができる安藤奏人の席。



隣のあたしには迷惑で仕方ない。


「ねー奏人くんはぁ彼女いるのぉ??」

「絶対いるよねぇ、こんなにかっこいいもん!!」

「あたしも奏人くんみたいな彼氏ほしぃ~」




よってたかって皆アピールしてる姿がなんとも見苦しい。



トイレにでも行こうか、と席を立とうとすると


バンッ


机を叩く音が響き、あんなに騒がしかった教室が一気に静まり返る。




「……あのさ、」


そう、安藤奏人だ。



「……お前らマジでうるさい。黙れ」




それだけ言ってさっさと教室を出ていった。





……なにアイツ。



あんな言い方しなくても。




ムカついたあたしはなぜかアイツを追って教室を出た。




_これが間違いだった。