キーンコーンカーンコーン…
四時間目終了の鐘がなる。
お昼だ…。
たった今まで受けていたのは、智兄の数学。
もう、何語喋ってるんだろうって感じ。
教科書を机にしまって、鞄からお弁当を探しているとき。
「葉月…梓って、アンタ?だよね?」
「へ…」
慌てて顔をあげると、茶色の髪を巻いている、見覚えのない女の子。
ふと、見ると教室の外…、つまり廊下にも見覚えのない人達がいた。
「私、ですけど…」
「ちょっと来てくれるかな」
ドンっっ
「アンタさぁ、ユズと付き合ってるってなに?」
来い、と言われて仕方なく付いていって連れてこられたのは、屋上。
壁に押し付けられ、5人ぐらいの先輩に囲まれている。
5人のうちのひとりは、愛先輩だった。
その愛先輩は、今私の襟を握りしめて引っ張っている。
ここにくる前から、なんとなく、言われる気がしてたけど…。
それにしても、愛先輩、怖すぎるよ…。
そろそろ首も苦しい。
「聞いてんの?」
「ぁ…っ」
首、締まっ…て、…。
痛い。
押し付けられる背中も、痛い。
私達、付き合ってなんかない。
何を言うにも、こんな状況じゃ、声も出せない。
「ぃ…った」
「は?聞こえないんですケド?」