9月4日


ざわついた教室に先生は入るとすぐに教卓を叩き、生徒を静かにさせて言う。



「えーー、みんな聞いてくれー!


突然だが転校生を紹介する。

入ってきなさい」



一瞬静かになった教室は、騒がしくなり


『え?誰?!』

『美女かな?!』

『イケメンに決まってんじゃん!』

『俺たちのアイドルだろ!!!』


そんな生徒達を見て半ば呆れながら、先生はドアの方を見て、廊下にいる生徒を呼び出す。


「静かにしなさい。転校生、入って」


「はい」


ガラッ!


凛とした返事とは逆に、男の子眠そうに入ってくる。




その途端、つんざく様な女子の悲鳴が教室に響き渡る。


「「「きゃーーーーーー!!」」」


そして、男子からは盛大なため息が起こる。


「「「あぁ…、アイドルが…」」」


入ってきた男の子は1回大きなあくびをする。

そしてその悲鳴とため息を完璧にスルーして、淡々と自己紹介をし始める。


「泉山遼誠です。

……人の名前覚えんのと、しゃべんの苦手……。


まぁ、よろしく……」


「みんな、仲良くしてやってな。


泉山の家は…その…まぁ、少しいろいろあったから…あまり深く聞いたりしないようにな。



席はそうだな……





このクラスの学級委員の坂下の後ろに座ってくれ。







何か困ったら坂下に聞いてくれれば解決する…」



その途端