―翌日の学校―
 
雄也は自分の机に顔を伏せていた。3時限目が終わり次の4時限目へと移る前に、授業で疲弊した生徒達を癒す至福の15分休憩である。
 
「ふぁぁ……眠い……」
 
本来、この15分休憩は後の授業時間調整のためのものなのだが、15分という普通の休憩時間より少し長い―普通は10分である―この休憩時間を利用して大方の生徒は昼食を摂る。しかし雄也は昨日あれからお風呂に入ったあと親に内緒で夜中2時頃までゲームをしていたのだった。眠いのは当然である。
 
「あぁ……次の時間なんの授業だったっけ……」
 
弁当を食べている他生徒を横目で流しつつ、雄也は次の授業を確認しようと後ろの黒板の時間割を見ようとした時、雄也に近づいてくる人物がいた。雄也の親友、亮である。
 
「よっ、雄也!!何だ、シケた顔しやがって。小テストのことでも考えてんのか?」
 
「眠たいんだよ……」

「……ゲームか?」
 
「あぁ……昨日中途半端な位置で母親に風呂入れって言われてな……」
 
「なるほど、夜中ぶっ通しでプレイね。そりゃご苦労なさった」
 
亮は苦笑しながら雄也の前の座席に座った。亮は雄也の2組ではなく、隣のクラスの1組だったが、こうして亮が15分休憩に遊びに来るのはもう日常茶飯事であった。