ここにいる誰もが、お姫様が律の妹だとは知らなかったようだ。 きっとこれで噂は広まり、間違っても手を出してくることはないだろう。 俺はホッとして一息つくと、野次馬の集団の後ろにあかねがいるのを見つけた。 あかねと目が合うと、あかねがピースサインをしていた。 どうやら、俺がこっちに来ていた間も、人を集めていたんだろう。 俺はあかねに向かって頷いた。 それから律はお姫様と一緒に消えてしまい、野次馬達も自然と解散していった。